6月4日

6月4日

数年おきにおそってくる「ミシン掛け作業」が今年あって、梅雨にはいる前のほぼ1ヶ月間に「袋物」を何口か作った。以前熱海のイベント“物産展”で
古布を手に入れていて、ハサミを入れるには惜しい柄向き。大事に仕舞いすぎていて探すこと一週間。タンスの奥に見付けたときには、思わずため息が
でた。何でこんなにも下のほうに? と。小さな古布。美しい雅な柄で紅絹(もみ)というにふさわしい。三枚の古布で作った袋物を今毎日取っ替えひっかえ手に、わたしは得意。裏地はオーガンジィ。一つ、四才の姪の子にあげようと思っていたのだが、わたしが一番気に入っていて絶対に私の物と決めた一品
を「これ貸して」 という。貸してあげた。で、あげようと思うものを「これカンチャンにあげる」と言うと“いいの?” って聞いてきた。ここでわたしは
いいのよ というべきなのに ウッ ってつまっちゃた。で、結局は四才のカンチャンはどれも持ち帰らずに私の手元にある。こどもが、いいの?って
聞くくらいに手触りといい、美しい布なのだ。お手玉を入れたりして遊んでいたのが、わたしの一品。四歳児のためにかわいらしくオーガンジィの裏地を
工夫したのに置いて帰った。もう一枚布地があるからこの次までには彼女専用のものを縫おう。
それとオーガンジィ、ゴースともいうらしい布を四枚重ねにして「バッグ」を二個作った。ゴースでバラの花を作り9個づつ縫いつけて。
縫い憎い布なのでちょっと手こずった。頭のなかに描かれたバッグはとても美しいのに出来栄えは半分。一個は迷惑でも“イメージのひと”に差し上げた。
もらっていただいたというのが正しい。まあ車の中に置いていただいて、物入れにということで。もう一個はわたし用。こちらは途中から少し飽きが来て
ちょっといい加減。和裁の先生に薔薇の花の作り方を教えて上げた。5月31日の雨の土曜日。今村洋子さんというやはり手作りのモダンなバッグを手にして来られた美人の先生に。この方のバッグを真似して今度はまた何年か先に「ミシン掛け作業」をしよう。
ほぼ一ヶ月間布で遊んでいたら、今日、額縁やさんが遊びに来た。額縁の注文はなし。絵が動かない。額の注文が出来るように絵が動きますように、お祈り
しましょう。そろそろ絵を描こうと、昨日画材やさんに溶き油を注文したところだった。先月100号サイズ2点の地塗りをして大量の絵の具と溶き油を消費。溶き油が少なくなると、トーンが落ちて急に絵が描けなくなる。
梅雨。つゆの季節は夫の会社の決算時。この時期に決めたのはわたし。雨ですから、静かに帳簿の整理をするにはもっともの頃合い、と。
では、左脳を使ってからまた右脳の仕事をしましょうか。右脳が喜ぶから、左脳を少し使いましょう。儲かっていないけれど。